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大統領は信用できない、でも側近は

アメリカのトランプ大統領が就任してから丸8カ月が経ちました。年末も見えてきました。

トランプ大統領の異例の政治スタイル、国内政治と外交政策などに関する世論調査が頻繁に実施されています。それを通して、幾つかのことが見えてきました。

まず、アメリカ人の大半はトランプ大統領を信用していない。しかし、側近は信用している。特に、マティス国防長官、ティラーソン国務長官、ホワイトハウスのケリー首席補佐官への信頼度が高いことがわかりました。共和党と民主党、男女、人種、所得水準を問わず、共通した結果が出ています。

ワシントンポストは9日、同盟国の外交官がトランプ政権とつきあうか苦労していると報じました。外交政策の方針をツィッターで突然発信、国際的な枠組みの多くを見直し、政策の一貫性がないことが問題だとしいています。ペンス副大統領の評価は高く、予測不能のトランプ大統領を補っているとする外交官もいました。

ウォール街とビジネス界は、トランプ政権の税制改革に期待しています。ただ、身内の共和党の重鎮であるコーカー上院議員がトランプ大統領を痛烈に批判、税制改革にも反対しています。コーカー氏に同調する共和党議員もいて、税制改革が年内に成立するかどうか不透明です。ウォール街の一部は、今年も来年も成立はないとする悲観的な見方も一部で出はじめました。

来週の外為相場見通し 10/9-13

今週最大の材料だったアメリカの9月の雇用統計は、重視される非農業部門の雇用者数が予想外にマイナスになりました。ハリケーンの影響が大きいと分析されています。ただ、失業率が改善、賃金が増加傾向にあることを示しました。

雇用統計を受け米国債利回りが上昇、米ドルが幅広く買われました。しかし、ロシアの通信社RIAが、訪朝から帰国したロシア下院の外交委員会の3議員の話として、「北朝鮮が長期距離ミサイルの発射準備をしている」と伝えたことでリスク回避ムードが強まりました。ドルが売られ、対円で小幅安に転じました。

来週前半は雇用統計の影響が残るとみられます。FRBが議事録を公表しますが、タカ派な内容になると予想されます。その一方で、北朝鮮が10日の朝鮮労働党の創立記念日の前後に挑発行動を起こすとの警戒感が強くあります。ドルの対円相場は上昇する傾向が強いものの、リスク回避で大幅に下落する可能性もあります。振れが大きくなるかもしれません。日本の衆院選をめぐる動きも円相場に影響することが予想されます。

イギリスのメイ首相がブレグジットに関する演説をして以降、ポンドが売られています。明確な将来像を描けないメイ首相に不満が高まっていて、辞任を求める圧力が強まりました。来週も引き続き軟調に推移するとの見方が優勢です。

ユーロは引き続きスペイン情勢の影響を受けそうです。住民投票を終えたカタルーニャ州が9日にも独立を宣言する可能性があります。しかし、裁判所が「投票は違憲」との判断を示していて、混乱が強まる可能性があります。

6日の取引で、カナダドルの下値の硬さが意識されました。来週は中央銀行のウィルキンス副総裁の講演が予定されています。カナダドルは堅調に推移するとの見方が少なくありません。

来週は、オーストラリアの主要な経済データの発表がありません。豪ドルは、マーケット全体のドルの動向、中国の経済指標に左右されそうです。

NZドルは来週大きく振れる可能性があります。連立政権樹立のキャスティングボードをにぎるNZファースト党が12日までに国民党につくか、労働党につくかの方針を決める予定です。労働党主導の3党連立になった場合、NZドルが売られる可能性があります。国民党とNZファーストの連立であれば、NZドルが買い戻されるとみられています。

銃規制の動きあり

1日夜に発生したラスベガスのマンダレイベイホテルで起きた無差別大量殺人事件。

スティーブ・パドック容疑者が最初に発砲してから、警察の特殊部隊がホテル32階の135号室に入るまでの76分間の状況が明らかになってきました。容疑者が大量の銃器を持ち込み、部屋の外に2つのモニターカメラを設置していました。綿密に準備していたことを示唆しています。

パドック容疑者のガールフレンドは当初、東京に滞在していると伝えられましたが、フィリピンにいたことがわかりました。3日夜にロサンゼルス空港に到着、FBIのエスコートで空港を出て、一泊しました。4日に警察が面談しましたが、「事件のことは知らされていなかった」としています。犯行動機解明が急務ですが、まだ何も明らかになっていません。

こうした中、議会で銃規制の機運が高まっています。全米ライフル協会が共和党に長年支援、トランプ氏の選挙でも多額の寄付をしたことから銃規制は進まないとみられていました。しかし、あまりにも残酷な事件を受け、連続発射を可能にするデバイスの販売を禁止、もしくは購入を厳格化する案が出ています。民主党だけではなく、共和党の議員の一部も賛成しています。

 

乱射容疑者は「ハイローラー」だった

全米を震撼させた1日夜に発生したラスベガスの銃乱射事件。これまでに59人が死亡、527人がけがをしました。

舞台となったマンダレイベイは、ラスベガスの中心ストリップの一番端にある金色のホテルです。マッカラン国際空港の近く。波の巨大プールや水族館があり、コンベンションセンターとつながっていることから、日本人観光客の利用も多いカジノリゾートホテルです。

乱射したマンダレイベイ32階の客室には、少なくも19丁の銃が見つかりました。自宅でも大量の銃器が差し押さえられました。USAトゥデイによりますと、ネバダ州ではマシンガンを合法的に購入することができます。乱射事件が繰り返されたことで、過去に銃購入の審査が厳格化されましたが、規制や購入条件は州によってまちまちです。

容疑者が狙ったマンダレイベイから通りを隔てた屋外イベント会場では、カントリーミュージックの祭典が開催中でした。2万2000人のファンがいましたが、乱射する乾いた音が「爆竹」もしくは「パチパチ花火」だと勘違いしていたようです。人が何人も倒れるのを見て、ようやく「何かがおかしい」と思ったそうです。

自殺したスティーブン・パドック容疑者は、ネバダ州のモスキートいう街の退職者向けコンドにガールフレンドと暮らしていたことがわかっています。ギャンブル好きで、頻繁にラスベガスに出かけていたようです。

ワシントンポストによりますと、パドック容疑者は高額のお金をかける「ハイローラー」でした。フロリダに住む弟に、「25万ドル(約2800万円)、カジノで勝った」とスマホのテキストを送ってきたこともあります。ビデオポーカーに1000ドル(約11万2000円)単位で賭けていました。

容疑者の父親は、1970年代に、凶悪な銀行強盗として指名されていました。脱獄もしたそうです。ただ、容疑者自身の犯罪歴はなく、近所の人も「変わっているけど、普通の人」とメディアに話しています。

今回の事件は、フロリダ州オランドのナイトクラブで起きた49人が死亡した乱射事件のちょうど1年後に起きました。偶然の一致でしょうか。